ニクロム線
ニクロム線放熱方式(古河産業(株)・三菱電線工業(株)・松下電工(株))について
歴史・実績
この方式は、この業界では最も歴史が古く、実績としても最も多くあり、電気式床暖房といえば一般的にこの方式を指すのです。むろん、前述で示した厳しい基準を当然クリアしている製品です。
耐久性
この製品は、ニッケルとクロムの合金で形成されており、裸体のまま使用することはなく、電気絶縁物質で被覆をし、使用します。耐久性については、もう30年以上の歴史が示すよう実証済みです。施工後の断線などの事故例はほとんど伺ったことはありません。
熱伝導性
ニクロム線は、電気抵抗値が炭素繊維と比較すると低いので、必要な定格出力を得るために、その線を長くしたり直列に組んだりすることが前提です。弊社が扱うメーカー品以外のものの中では、発熱線の間隔が荒くなるものもあり、表面温度にむらが生じる製品もあるとお聞きします。また、ニクロム線は強度が弱いので6mmの厚い電気抵抗物質で被覆しなければならないため、結果とし、発熱体の下の断熱材は薄くなっています。
施工性
弊社は電気放熱パネルの仕組みとして、パネル方式・根太間方式・埋設方式の3種類の工事に、ニクロム線方式の床暖房を使用させて頂いていますが、これら方式のすべてに共通して言えることは、カッターナイフ・かなづちなどの落下物による損傷には極めて弱く、万全の注意をはかり、施工しなければなりません。また結線部分(ジョイント)に関しても用途・目的に応じて、絶縁方式や結線部材を考え施工することが極めて大切なことなのです。ほとんどの電気式の事故例はこれらの要因から生じています。
リサイクル性・環境性
この製品は、ニッケルとクロムの合金で出来ています。銅ほど簡単に素材そのものをリサイクルすることは難しいのですが、基本的には可能です。環境性に関しては、絶縁被覆物質を使うためリサイクルしづらく、エコ・マテリアル製品とはいいづらい面があります。
イニシャルコスト
この方式は温水式とは異なり、パネル部に数々の安全装置を搭載することが前提であるために、温水式に比べてm2単価は倍以上します。しかし、放熱部・熱源部が一体ですから熱源部を外部に設ける温水式と比べ、システムによる相違はありますが、施工面積が小さいものは一般的に温水式よりも安価といえます。